治療事例紹介

肩関節脱臼・反復性肩関節脱臼

肩関節脱臼とは、肩関節の上腕骨頭が関節窩から外れる病気です。

初回肩関節脱臼

症状⋅機転

  • 転んで手をついたり、肩を激しくぶつけたときに発生します。ひどい場合は肩鎖関節の先にある上腕骨が骨折する場合もあります。

    肩関節は最も外れやすい関節の一つであり、肩関節脱臼は様々なスポーツで発生します。腕がだらーんとなり、動かせなくなります。

  • 肩関節脱臼

痛みの原因

関節内に上腕骨がおさまっていないために、正常な動きが損なわれたからです。

治療方法

  • 脱臼の整復
    整復を早くしないと整復が困難になり、神経麻痺をおこすこともあります。
  • 投薬
    脱臼によりおこった炎症をおさえます。
  • 運動療法
    肩甲骨周囲筋や腱板の筋力強化、かつ体幹の強化をすすめます。
  • 手術療法
    反復性肩関節脱臼や不安定感(抜けそうな感じ)が残存し、根治を目指す場合には手術が必要となります。Bristow法や鏡視下バンカート修復術が代表的な手術です。

 

反復性肩関節脱臼

くせになった肩の脱臼のことです。症状・機転は初回肩関節脱臼と同様です。

主な症状

  • 肩が抜けそうな感じがする、嫌な感じがあり、怖くて腕を挙げれない
  • 脱臼した瞬間に強い痛みが生じ、音がすることもある
  • 肩の形状に左右差が生じることもある
  • 痛みにより手を挙げられなくなる
  • 反復性肩関節脱臼の方の病態は、関節窩という上腕骨の受け皿につく靭帯がはがれるバンカート損傷というものが生じます。
    普段の肩は靭帯が緊張して、肩が受け皿からはこぼれおちない(脱臼しない)ように働きますが、バンカート損傷が生じると靭帯は緊張しなくなります。

  • バンカート損傷

治療方法

  • 手術療法
    根治は手術が確実です。鏡視下バンカート修復術をおこないます。
  • 手術が受けられない事情のある方
    脱臼予防装具を処方して、スポーツに励んでもらったり、脱臼しない肩の位置を指導していきます。しかし、絶対的な治療とは言い難いのは確かです。
  • 運動療法
    処方して脱臼をしない肩の位置を認識してもらいます。肩周囲の筋肉の強化はもちろんですが、体幹の強化を施し、全身の機能を高めます。

 

よくある質問と回答

右肩が、脱臼グセがついて、簡単に外れてしまいます。
右肩の骨が、ぼこっとでています。
日常生活は、なんとか大丈夫ですが、将来高齢になり、筋力が落ちたら今以上に外れやすくなってしまうのでしょうか?
5回以上外れたことがあります。

脱臼の回数はやはりさらに脱臼を繰り返すことにつながります。その間に軟骨の磨耗なども進んできますのでやはりきちんと治されたほうがいいと思います。
加齢とともに肩関節自体は固くなってくるのが一般的ですが脱臼を繰り返す場合やはりきちんと治療なされたほうがいいでしょう。

「肩脱臼を何十回もしています。」 手術療法がベストなのでしょうか。

反復性肩関節脱臼は根治を目指すなら手術をするのがベストだと思います。しかし、手術は個々人の事情やスポーツチームに属するならチーム事情により、受けることが困難な方も多くいらっしゃいます。
その場合は脱臼予防装具をする、テーピングや腱板訓練などで脱臼せずにスポーツができる可能性はあります。ただし、脱臼は腕がある角度で発生しますので、脱臼する確率は低いとは言えないと思います。

 

 

部位から探す
高度専門医療
リハビリテーション
キーワードで探す
  • ※半角スペースで区切ることで複数キーワードでの検索が可能です。
    例)鏡視下腱板修復術、鏡視下バンカート修復術等