腱板断裂・腱板損傷
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腱板断裂⋅腱板損傷とは、肩にある上腕骨頭に付着している腱が骨頭から剥がれる病気です。
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正常時との負荷の比較
症状
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- 痛くて自力で腕が挙がらない
- 夜、痛みがあり目が覚める
- 腕を下ろすときに痛みが走る
- エプロンの紐を結ぶときに痛い
- 痛くなったほうの肩を下にして寝られない
- 高い棚に手が届かない
- ボールを上手に投げれない
- 引き戸の開閉ができない など
腱板断裂肩では、重症になると疼痛や筋力低下をきたし、本来挙げられる位置まで腕が挙がらなくなります。
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可動域のイメージ
痛み・腕が挙がらなくなる原因
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- 断裂した腱が、肩峰という骨と上腕骨頭に挟まれるため痛みが生じる
- 腱が断裂して、上腕骨を支えられなくなり、腕が挙がらなくなる
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断裂した腱が肩峰と上腕骨頭に挟まれる
痛くなる、挙がりにくい理由を両手をつかって説明します。拳を上腕骨頭、指を腱と思ってください。
正常肩の場合
指が拳をつかまえて、拳は安定する。腱板断裂の場合
指が数本、拳から離れている状態。指がしっかり拳をつかまえておらず、拳は安定しない。
拳と指で痛み・挙がらない原因を例えると…
- 離れた指(断裂した腱)が骨と骨の間に挟まれるから痛みを感じる。指をドアに挟むと指が痛いのと同じです。
- 指が離れるから支えがなくなり、拳は不安定になる(ぐらつく)。
- 拳がぐらつくことで、力がはいりにくくなる。
治療方法
- 診察、理学所見…腱板断裂による痛みか肩の触診や動きで判断します。
- 投薬、注射………患部の炎症を抑えます。
- 運動療法…………断裂していない腱の動きを良くしたり、肩甲骨周りの筋肉の緊張をとることで、痛みのでない肩をめざします。
- 手術療法…………上記の保存的加療に効果がない場合、関節鏡による関節鏡視下腱板修復術をおこないます。
関節鏡手術とは
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小さい傷から関節鏡を体内に入れ、モニターでみながら病変を治す手術手法。
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関節鏡術の様子
関節鏡視下腱板修復術の流れ
腱板断裂している肩
糸つきのビス(アンカー)を上腕骨に挿入し、その糸を腱にかける。
糸を引っ張り、別のビス(アンカー)にその糸を通して、そのビスを上腕骨に挿入する。
よくある質問と回答
現在、私の72歳になる母が腱板損傷の可能性があり検査中です。このような修復術の場合でも術後のリハビリは必要になるのでしょうか?
「必要です。」と言わざると得ないです。整形外科の手術はほとんどの場合、期間に差があるとはいえリハビリが必須となります。
特に肩の場合は、筋肉が一旦弱くなるなどからリハビリをおこないます。
また腱板修復をすると術後に装具が必要となり、正しい肩の動きを再学習するためにもリハビリをおこなうのが通常です。
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