育毛メソセラピーはAGAに効果なし?副作用やデメリットも解説


育毛メソセラピーは、薄毛予防や発毛促進のための有効成分を頭皮に直接注入する薄毛治療です。

 

薬液にブレンドする成分や施術法、かかる費用がクリニックによって異なり、投薬治療に比べて費用が高いというデメリットがあります。一方で、副作用のリスクが少なく、投薬治療との併用で、発毛までの期間を短縮できるなど、メリットもたくさんあります。

 

当記事では、育毛メソセラピーの効果や副作用、メリット・デメリットについて詳しく解説します。注入による薄毛治療を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

育毛メソセラピーとは?HARG療法との違いやメリット・デメリットを解説


育毛メソセラピーは、注射などを用いて頭皮に有効成分を直接注入する最先端の発毛治療です。

 

特定の薬品を使用するわけではなく、クリニックによって使用する成分も施術法もさまざまです。

 

育毛メソセラピーは、AGAメソセラピー・発毛メソセラピー・毛髪再生メソセラピーとも呼ばれますが、基本的な治療法は同じです。

 

AGA治療の内服薬や外用薬との併用で、発毛までの期間を短縮することが期待されます。

 

持病や体質で投薬治療が受けられない人にもおすすめ。

 

育毛メソセラピーは、人体に害のない成分を注入するため、副作用が少ないのも特徴のひとつです。

育毛メソセラピーの治療方法とHARG療法との違いについて

育毛メソセラピーは注射器を使って薬液を頭皮に注入する以外にも、いくつかの施術方法があります。

 

具体的な治療方法と使用する器具についてみていきましょう。

治療方法 使用する器具 特徴
パピュール法 注射器 注射器を使って頭皮に薬液を注射。表皮と真皮の間に有効成分を浸透させる。
ナパージュ法 注射器 注射器を使って頭皮に薬剤を注射。パピュール法より細かく注射する。
ダーマローラー法 針のついたローラー 針のついたローラーを頭皮の上で転がし、薬剤を注入する
フラクショナルレーザー法 レーザー照射 特殊なレーザーで頭皮に穴を開けて薬剤を注入する
エレクトロポーション法 電気穿孔 電気パルスで頭皮に隙間を開けて薬剤を浸透させる

注射器を使用するパピュール法やナパージュ法は痛みを伴います。また、医師に高い技術力が求められるため、最近では注射器を使用しない治療方法も導入されています。

 

フラクショナルレーザー法やエレクトロポーション法は、ほとんど痛みを感じることがないため、痛みに弱い人におすすめです。

育毛メソセラピーに使われる成分

育毛メソセラピーでは、発毛や育毛作用のある成分を使用します。

 

薬液に含まれている主な成分は以下のとおりです。

  • ミノキシジル
  • ケラチノサイト成長因子(KGF)
  • インスリン様成長因子(IGF-1)
  • 血管内皮細胞成長因子(VEGF)
  • 繊維芽細胞成長因子(bFGF)
  • 銅ペプチド
  • コエンザイムQ10.
  • ヒアルロン酸

育毛メソセラピーでは、クリニックによって使用する成分が異なります。複数の成分をブレンドして頭皮に直接注入することで頭皮環境を整え、発毛を促します。

育毛メソセラピーとHARG療法の違い

HARG療法も育毛メソセラピーと同様に、有効成分を頭皮に直接注入することで発毛を促す治療法です。両者の大きな違いは注入する成分です。

 

育毛メソセラピーでは、抜け毛予防や発毛作用のあるフィナステリドやミノキシジル、亜鉛、ミネラルといった成分をクリニック独自の量で配合します。

 

一方、HARG療法では、150種類以上の成長因子を、決められた比率で配合した「HARGカクテル」を使用するため、クリニックによって大きな違いはありません。

 

HARG療法は日本医療毛髪再生研究会から認定されたクリニックだけが施術できます。HARGカクテルの製剤にコストがかかるため、育毛メソセラピーに比べて治療費が高くなる傾向に。ただし、費用が高いからといって育毛メソセラピーより高い効果を得られるわけではありません。

 

育毛メソセラピーやHARG療法のような注入治療を検討する場合は、使用する成分の種類や量・治療費について、事前にクリニックに確認しましょう。

育毛メソセラピーの効果と副作用について

育毛メソセラピーには「薄毛の進行を抑える」「発毛を促進する」という2つの効果が期待できます。

 

AGAの投薬治療に比べて、早い段階で効果を実感できるのが特徴。内服薬や外用薬による投薬治療では、発毛を実感するまでに6ヶ月程度かかるのが一般的です。その点、育毛メソセラピーは、3~4ヶ月で毛髪の変化を感じられることがほとんどです。

 

育毛メソセラピーと投薬治療を併用することで、より効率よく薄毛を改善できます。その分コストはかかりますが、できるだけ早く発毛を実感したい人には、投薬治療との併用がおすすめです。

薄毛の進行を抑える

育毛メソセラピーでは、フィナステリドやデュタステリドといった医薬品成分を配合した薬液を頭皮に直接注入することで、薄毛を予防します。

 

抜け毛の原因となるジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンが生成されるのを防ぎ、ヘアサイクルを正常な状態に戻すことで抜け毛を防ぎます。

発毛を促進する

育毛メソセラピーでは、発毛を促すミノキシジルや成長因子が薬液に配合されています。

 

更に、亜鉛やたんぱく質などの栄養素をプラスすることで、新たに髪を作り出すことができます。

 

また、栄養不足による薄毛や抜け毛を防ぐために、ビタミンやミネラルなど、髪の成長に必要な成分が配合されることもあります。

育毛メソセラピーの副作用

育毛メソセラピーは副作用のリスクが少ない治療法ですが、ゼロとは言い切れません。

 

考えられる副作用は以下のとおりです。

  • かゆみ
  • 腫れ
  • 痛み
  • 内出血
  • 熱っぽさ
  • しこり
  • アナフィラキシーショックなど

施術直後は、注射した部位に赤みや腫れが生じることがあります。これらの症状は数時間から数日で和らぐことがほとんどです。

 

ごく稀に、アレルギー反応でアナフィラキシーショックを起こすことも。気になる症状が続く場合は、クリニックを受診して医師の指示を仰ぎましょう

育毛メソセラピーのメリット・デメリットと治療の注意点について

育毛メソセラピーは発毛を実感するまでの期間が短いメリットがあります。その反面、費用が高額になるデメリットも。

 

ここからは育毛メソセラピーのメリット・デメリットについて詳しくみていきましょう。

育毛メソセラピーのメリット

効果が出るまでの期間が短い

頭皮に直接有効成分を注入するため、投薬治療に比べて効果を実感できるまでの期間が短くて済みます。

 

一般的には3~4ヶ月で変化が表れるため、薄毛の悩みを早急に改善できるメリットがあります。

女性の薄毛にも対応できる

育毛メソセラピーは1人ひとりの薄毛の症状や目的に合わせて有効成分をブレンドするため、女性の薄毛治療にも対応できます。

 

男性向けのAGA治療で使われるフィナステリドやデュタステリドは、女性への使用が原則認められていません。育毛メソセラピーなら、女性が使用できない成分を除外した薬液を用いて治療できます。

投薬治療できない人でもOK

肝炎や肝硬変などの持病がある場合には、AGA治療薬を服用できません。AGA治療薬を代謝するのに肝臓に負担がかかり、炎症を起こすリスクがあるためです。

 

育毛メソセラピーなら服用の必要がなく頭皮に注入するため、投薬治療を諦めていた人でも薄毛治療できるメリットがあります。

副作用のリスクが少ない

AGA治療で使われる内服薬や外用薬には副作用のリスクがあります。

 

フィナステリドやデュタステリドには性欲減退や勃起不全など、男性機能に関わる副作用がみられます。ミノキシジルには、頭痛やめまいなどの副作用が起こることがあります。

 

その点、育毛メソセラピーには副作用のリスクがほとんどないため、安心して治療を受けられます。

育毛メソセラピーのデメリット

通院する必要がある

AGA治療の内服薬や外用薬はオンライン診療でも処方が可能ですが、育毛メソセラピーは医師の施術を受けるために通院しなくてはいけません。

 

また1回の施術では十分な効果を得られないため、定期的に通院する必要があります。

治療費が高い

有効成分をブレンドした薬液を医師の施術で頭皮に注入するため、投薬治療よりコストがかかります。

 

ただし、発毛を実感するまでの期間が短いため、トータルでかかる費用を考えると、決してコスパは悪くないでしょう。

副作用が起こることがある

投薬治療に比べて副作用のリスクが少ない育毛メソセラピーですが、ごく稀に頭部の痛みや腫れ、内出血などの副作用が起こる場合があります。

 

重篤な副作用が起こることはありませんが、気になる症状があれば医療機関を受診しましょう。

育毛メソセラピーの注意点

育毛メソセラピーは副作用のリスクがほとんどなく、安全性の高い薄毛治療法です。ただし、医療行為であるからには、注意すべき点もあります。
薬液に配合される成分や体質によっては副作用が起こることも。施術後、万が一体に異変を感じた場合は医師に相談しましょう。

施術後の入浴やサウナを控える

 

育毛メソセラピーの施術後は、基本的にいつも通り生活できます。ただし、注射した箇所が腫れていたり、赤みを帯びている場合は、入浴やサウナを控えてください。

 

クリニックでは、施術後の過ごし方について説明があります。術後は医師の指導に従って過ごしましょう。

毛包がない場合には治療できない

育毛メソセラピーは、有効成分を頭皮に注入することで発毛を促す治療法です。

 

髪の毛のもとになる毛母細胞が集まった毛包が既になくなっている場合には、メソセラピーによる効果を得ることができません。

 

毛包がなくなっていることは自分では確認でいないため、まずはクリニックを受診して治療を受けられるか診断してもらいましょう。

ガンを患っている場合は治療できない

育毛メソセラピーは、ガンを患っている場合には施術できません。

 

頭皮に注入する成長因子が、ガン細胞の成長を促す可能性があるからです。

 

ガン以外の病気や健康状態を含めて、育毛メソセラピーを受けられるかどうか、医師に確認する必要があります。

育毛メソセラピーの施術の流れ

育毛メソセラピーの施術を受けるにあたって、まずはじめに、医師によるカウンセリングや診察を受ける必要があります。

 

ここからは育毛メソセラピーの施術の流れについて、順番に紹介します。

【STEP1 医師によるカウンセリグと診察】

まず最初に、医師によるカウンセリングで薄毛の悩みや改善したい症状についてヒアリングします。

 

実際に頭皮や毛髪を診察したうえで、治療方針を決めていきます。

 

施術回数についても、症状や予算に応じて医師と相談して決めましょう。

【STEP2 施術開始】

症状や治療目的に合った成分をブレンドした薬液を頭皮に注入します。

 

施術前に、健康状態や副作用のリスクを確認するために採血検査を実施します。検査結果に問題がなければ治療が始まります。

 

育毛メソセラピーは1クール6~16回の施術で、2~4週間に1回ペースで定期的に通院する必要があります。

 

治療期間は約半年~1年程度で、開始から3~4ヶ月ほどで変化を実感できるでしょう。

【STEP3 アフターケア】

施術後は、基本的に普段通りに生活できます。頭皮の腫れや痛みがある場合は、入浴やサウナを控えるようにしましょう。

 

施術後の過ごし方については、医師から説明があります。

育毛メソセラピーに関するよくある質問

育毛メソセラピーの治療費はどれくらいかかる?

育毛メソセラピーは、クリニックによって薬液に使用する成分や施術法が異なります。また、保険適用の自由診療となり、クリニックごとに治療費も変わってきます。

 

ここからは育毛メソセラピーの治療にかかる費用の相場について詳しくみていきましょう。

 

・6~16回を1クールとして設定

 

育毛メソセラピーは1回の施術ではなく、何回か定期的に施術を繰り返すことで発毛が期待できる治療法です。

 

そのため、ほとんどのクリニックで、6~16回を1クールとして費用が決められています。治療にかかる期間は半年~1年程度です。

 

・1クールの費用の相場

 

1クールの費用の相場は幅広く、20~80万円となっています。価格に大きな開きがあるのは、1クールの回数そのものに幅があるためです。

 

クリニックによっては1回ごとに費用が決められているところもあります。その場合の相場は、1回あたり2万円程度となっています。

育毛メソセラピーの施術に痛みはある?

育毛メソセラピーは施術方法によっては痛みを伴います。

 

注射によるパピュール法やナパージュ法は痛みがありますが、針の付いたローラーを使用するダーマローラー法は、注射器を使う施術に比べると痛みが軽減されます。

 

レーザー照射のフラクショナルレーザー法や、電気穿孔のエレクトロポーション法は、ほとんど痛みを感じることはありません。

育毛メソセラピーの施術にかかる時間はどれくらい?

育毛メソセラピーの施術にかかる時間は、早ければ20分で、一般的には30~40分程度です。
クリニックによっても所要時間が異なるため、事前に確認しておきましょう。

育毛メソセラピーの治療回数と期間はどれくらい?

育毛メソセラピーの治療回数は、1クール6~16回程度です。
2~4週間に1回ほど通院することになり、6ヶ月~1年程度、定期的に施術を受けます。
発毛作用を持続させるために、追加で施術を受けることもできます。

女性でも育毛メソセラピーの治療を受けられる?

育毛メソセラピーは女性の薄毛治療にも有効です。
1人ひとりの症状や治療目的に合った成分をブレンドするため、フィナステリドやデュタステリドなど、女性の使用が認められていない薬剤を避けて治療できます。

育毛メソセラピーは自宅やエステサロンでもできる?

育毛メソセラピーは医師による治療が必要であって、自宅やエステサロンでの施術はおすすめできません。
最近では、自宅で使用できるダーマローラーが販売されています。極細針が付いたローラーで、頭皮に薬液を浸透させる機器ですが、正しく使用しなければ頭皮からの出血や炎症など、副作用のリスクがあります。
また、クリニック以外の薬液を使用するため、安全性を確認することができません。

育毛メソセラピーは保険適用される?

育毛メソセラピーは保険適用外の自由診療となります。
そのため、治療費は全額自己負担する必要があります。

育毛メソセラピーは医療費控除の対象になる?

育毛メソセラピーは医療費控除の対象にはなりません。
AGA治療は美容整形と同様に、容姿を変えるための治療と見なされ、生命に関わる病気として扱われていません。
ただし、最近ではAGAや円形脱毛症の治療で、医療費控除を受けられるケースもあるため、管轄の税務署に直接問い合わせてみましょう。