治療事例紹介

リウマチ治療

京都下鴨病院では、京都地域のリウマチ治療の拠点として、薬物治療から手術、リハビリまで一貫しておこなう専門医療を提供しています。

関節リウマチとは

40代~50代の女性に発症することが多く、男女比は約1:5です。しかし、10代~80代までどの年齢でも発症します。

関節リウマチの原因はまだ分かっていませんし、<治す>薬もありません。
関節リウマチの関節炎は発症、持続に自己免疫が関与していることが分かっています。

症状

関節リウマチでは、肘、肩、股、膝、足関節や足の趾のつけ根の関節など全身の関節に関節炎が起こります。関節炎が起こると、痛みや腫れが出てきます。

朝のこわばりといって起床時に手指の腫れがきつくなったり、指が動きにくくなったりする症状も特徴的な症状です。
微熱が出ることはありますが高熱が出ることはあまりありません。

一度関節炎が起こると、治すのではなく炎症を持続させるように体内の免疫が働きます。
関節炎が続くと関節の軟骨や軟骨の下の骨が少しずつ破壊されてきます。関節が強く破壊されると動きにくくなり、痛みも強くなり、日常生活に不便を生じてきます。
股関節や膝関節が破壊されると歩けなくなり、寝たきりになることもあります。

当院の治療体制

整形外科医を中心とした治療

リウマチは早期発見し、関節が破壊されないように早期に治療をおこなうことが基本です。また、病気の進行を見極めて整形外科での手術が必要になる場合があります。

特に関節の変形などを伴う進行の早いリウマチの場合、早いタイミングで手術に踏み切ったほうが関節機能の低下の予防が期待できます。
しかし、内科医と整形外科医が役割分担をする一般的な治療の場合、手術のタイミングを見極めることが容易ではありません。
進行の早いリウマチには薬物治療で抑えきれないものもあり、手術の判断が遅れると関節機能の低下が進んでしまいます。

当院では手術のタイミングを的確に判断するための診療体制を整えています。

当院のリウマチ科は、リウマチ専門医と整形外科専門医および、リウマチケア看護師・理学療法士・スポーツトレーナーが一丸となった診療体制です。
整形外科医が内科的な薬物治療をおこないながら、リウマチ科で人工関節置換術などの手術療法とリハビリを担当し、リウマチ疾患に対する総合的な治療をおこなっています。

病気に対する患者さまの理解を深める

“リウマチは痛みや変形のある病気である”と理解して、不安を抱えている人も少なくないと思います。
そうした不安を解消するために、当院では病気について正しく理解してもらえるように説明することを心がけています。

リウマチは通院や薬の服用を定期的におこなう必要がある病気であること、そして現段階での病気の状態を理解することがまず大切です。
また、リウマチ患者さまの約3分の1が生物学的製剤を選択することとなるため、その効果や経済的負担についても詳しく説明いたします。

生物学的製剤で病気の進行を止めることができると、関節の変形などの不可逆な状態を防ぐことも可能です。
当院のリウマチ科では患者さま一人ひとりの病状や状況にあわせて、しっかりと説明をおこないながら治療をおこなっています。

治療方法

薬物療法(生物学的製剤)

京都下鴨病院では、これまで360名(2016年時点)を超える患者さまに生物学的製剤(レミケード・エンブレル・アクテムラ・ヒュミラ・オレンシア・シムジア・シンポニー)や内服薬(メソトレキサート・ゼルヤンツ)などによる治療をおこなっています。

これらの生物学的製剤の効果は素晴らしく関節リウマチをほとんど治ったかのような状態にします。
生物学的製剤による治療は関節がまだ破壊されていない早期の時期におこなうと最も効果があがります。

手術治療

いろいろな治療をおこなっても関節が破壊され、変形してしまうこともあります。この場合には人工関節置換術などの手術をおこないます。
京都下鴨病院では2016年までに関節リウマチの手術を1,100例以上おこなっています。手術によって再び歩けるようになったり、日常生活動作の不自由さを改善します。

 

※当院のリウマチ科は、関節リウマチと診断された方のみを対象とさせていただいております。関節リウマチの確定診断をまだ受けられていない方は、まずは整形外科を受診してください。

 

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