治療事例紹介

肩関節疾患リハビリテーション

京都下鴨病院でリハビリテーションをおこなっている主な肩関節疾患として、以下のものが挙げられます。

これらの肩関節疾患に対して、痛みや関節可動域、日常生活動作の改善ならびにスポーツ復帰のためにリハビリテーションをおこなっています。

一般整形:五十肩(肩関節周囲炎)・腱板損傷(断裂含)・拘縮肩・石灰沈着性腱板炎

痛みの発生時期・症状に応じたリハビリテーションをおこなっています。

1. 安静時に痛みのある時期

患部の炎症による痛みのため、肩関節まわりの筋肉が異常に緊張し、さらに夜間の痛みが強くなることで肩関節の動きを妨げます。

主な治療方法

  • 医師による痛み止めなどの注射や投薬
  • 理学療法士による肩関節のアイシング(冷やす)
  • 痛みが強くならないように注意しながら関節可動域訓練(関節の動かす範囲を拡げる訓練)や筋力訓練など

その結果、肩がリラックスした状態となり、上腕骨頭が求心位(上腕骨頭が関節窩に正しく収まった状態)をとれることにより、痛みが軽減することを目指します。

2. 動かした時、動かした後に痛みのでる時期

強い痛みがなくても、日常生活や仕事、スポーツなどの際に痛みに対しては、姿勢の悪さ(猫背、円背など)が関係している場合もあります。
良い姿勢が保てるようになるための運動や体操、生活指導などをおこないます。

3. 痛みはないが、肩の動きが悪い時期

痛みが軽くなっても、関節の動きが悪い・腕が上がらない・日常生活でできない動作がある場合、関節の動きをよくするための運動療法(関節可動域訓練や筋力訓練)をおこないます。

※ 日常生活での動作例:髪をくくる、エプロンの紐を結ぶ、下着・ブラジャーの着け外し、ズボンの後ポケットに手を入れるなど

4. 手術後のリハビリテーション

医師が必要と判断すれば手術をおこないますが、手術後のリハビリテーションでも上記1~3までと同様の考えに基づいてリハビリテーションをおこないます。

  • 肩外転装具

  • 肩甲骨体操

  • 肩可動域訓練(サンディング)

  • 肩可動域訓練(上肢挙上)

  • 肩可動域訓練(伸展ストレッチ)

  • 肩腱板機能訓練(カフエクササイズ①)

  • 肩腱板機能訓練(カフエクササイズ②)

  • 肩腱板機能訓練(カフエクササイズ③)

スポーツ整形

投球スポーツ(野球・ソフトボール・ハンドボールなど)、オーバーヘッドスポーツ(バレーボール・バドミントン・テニスなど)、コンタクトスポーツ(アメリカンフットボール・ラグビー・サッカー・柔道など)をおこなっていると、少なからず、肩の痛みを生じたり、肩関節を怪我することがあると思います。

一時的な痛みや軽い怪我であれば、しばらく安静にすることで問題なく競技に復帰できる場合もあります。しかしそこで無理をしてしまうと強い痛みが続くようになったり、傷めた部分がひどくなったりしてしまうことがあります。
そうなると、スポーツ復帰どころか日常生活にも支障をきたすようになりかねません。そこまでいくと安静だけでは治まらず、治療が必要になってしまいます。

 

当院では肩関節の病変に対して保存療法もしくは手術療法にて治療を進めていきます。

ただし、肩関節のみ治療しただけでは、たとえ痛みが消え一時的にスポーツ競技に復帰できても、そこに至った原因を探り出して治療しなければ、いずれ再発するものと考えています。
肩関節の治療と並行して、必要に応じて肩甲骨の動き・肋骨の動き・体幹の動き・下半身の動きを含めて全身的な動作としてスムーズにおこなえているかを同時に診ることにも努めています。

そこから日常生活動作だけでなくスポーツ動作をおこなう中で、求心位(上腕骨頭が関節窩に正しく収まった状態)を保つことができるようにリハビリテーションをおこなっていきます。
同時に求心位を保つにはどうすればいいかを患者と共に理解していくことで疾患の再発を予防します。

不安なく日常生活やスポーツに復帰することを目標として、速やかに競技復帰ができるように、トレーナーと共に患部以外のコンディショニングや体力・筋力維持のトレーニング、患部を含めた全身のコーディネーションを高めるためのトレーニングをおこないながら競技復帰を目指す場合もあります。

投球指導の様子

 

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